当記事では男性の薄毛対策(AGA)にお悩みの方へ、薄毛対策に役立つ情報を解説します。基本的には標準的治療である、ミノキシジルやフィナステリドの使用がありきですが、補完的な役割として効果的な方法を紹介していきます。
試すだけの価値があるもの
低レベルレーザー治療
低レベルレーザー治療(LLLT)は、低出力のレーザーを頭皮に照射する治療法のこと。低出力のレーザーはNO(一酸化窒素)とフリーラジカルの産生を刺激すると考えられてます。これが発毛を引き起こすメッセンジャー分子として作用するんです。
LLLTについては、2007年にFDA(アメリカ食品医薬品局)が「男性型脱毛症に使っていいよ!」と承認しており、薄毛対策としては一歩抜きん出た感じです。また、11のプラセボ対照試験をまとめたメタ分析は、「LLLTを使うと、単独でも従来の治療法との併用でも、発毛と頭髪の密度を改善する」と報告しております。
もちろん、もっと長い期間の実験は必要なのですが、薄毛にお悩みならLLLTを試す価値は十分あるでしょうね。
カフェイン
男性型脱毛症の男性340人を対象とした4つの試験(うち2つは対照試験)では、カフェイン入りの局所用ローションとシャンプーは、抜け毛を減少させながら髪の強度と太さを増加させた。そのうち1つの研究では、ミノキシジルの効果も高まった。
同じように、カフェイン入りシャンプーを6ヶ月間使用した女性は、抜け毛が減少し、髪の毛の強さが増加したとも報告されています。全体的に外用テクニックとしての証拠は中レベル。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージの効果については、まだまだデータ不足なんですが、9人の男性が対象の非対照試験では1回4分の頭皮マッサージを24週間行ったら、髪の毛の太さが改善されたと報告されております(発毛に関与するいくつかのタンパク質レベルが上昇するらしい)。
また男性型脱毛症の男性340人を対象とした調査では、頭皮マッサージは主観的な毛髪密度が改善したとのことで、「そこそこ試す価値はあるかな」ぐらいの印象です。
ライフスタイル改善
タバコ
言わずもがなですが、タバコは毛髪に大ダメージを与えます。多くのデータを見てると、タバコを吸う人の男性型脱毛症リスクは約2倍。タバコの煙は毛包に炎症ダメージを与えるんで、毛髪の成長を阻害し、女性の性ホルモンレベルを低下させるんですよ。薄毛が嫌ならとりあえず禁煙はマストです。
肥満
太りすぎや肥満は男性型脱毛症の重症化と関連するので、体脂肪も落としといてください。
地中海食
200人以上の男性を対象とした研究では、新鮮な野菜やハーブを豊富に含む地中海式の食事を定期的に摂っている人(週3回以上)は、男性型脱毛症の発生率が50%以上減少したと報告されております。
栄養
タンパク質は必須
抜け毛に悩む100人の男性を対象とした研究では、男性型脱毛症の34人の被験者のほとんどが、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシンの欠乏症が確認されたそうです(いずれも必須アミノ酸)。とりあえず、体重1kgあたり最低でも1.6gぐらいのタンパク質は必須でしょう。
亜鉛
120人の男性を対象とした研究では、男性型脱毛症の人ほど亜鉛とビタミンB7の血中濃度が低かったとのこと。さらに、男性型脱毛症の男性48人を対象とした別の研究でも、血中の亜鉛濃度が正常な人ほど育毛の成功率が高く、毛髪密度の増加と関連していた。
ビタミンB7/ビオチン
120人の男性を対象とした研究では、男性型脱毛症の人はビタミンB7(ビオチン)と亜鉛の血中濃度が低いことが明らかになった。
エビデンス不足だが見込みがある
リンゴポリフェノール
101人の男性を対象とした3つのプラセボ対照試験では、リンゴポリフェノールにふくまれるプロシアニジンB2を4~12ヶ月間ほど塗り続けたところ毛髪密度を増加させた。ただし、まだほとんど研究が進んでないので、積極的にはおすすめしませんが。
また、リンゴポリフェノールについては、健康な男女250人を対象としたプラセボ対照試験で、リンゴポリフェノール抽出物(ポリフェノール500mg、1日2回)を経口摂取したグループは、毛髪密度、体重、ケラチン含有量が増加したとのこと。ただし、こちらもまだまだエビデンス不足ですね。
アデノシン
男性型脱毛症の140人の男性を対象とした2つのプラセボ対照試験では、アデノシン外用液を6ヶ月間塗布すると、太い髪の割合が増加した。
さらに、55人の男性を対象とした非プラセボ対照試験では、0.75%のアデノシン外用液は、発毛を回復させるのにミノキシジルと同等の効果が見られた。とはいえ、まだエビデンス不足はいなめないので、あくまで抜け毛に効く可能性があるレベルですが。
ノコギリヤシ
男性型脱毛症の男性125人を対象とした3件の非プラセボ対照試験では、ノコギリヤシの外用剤を最大2年間ほど塗り続けたところ発毛が増加したとのこと。また、男性型脱毛症の男性26人を対象とした小規模プラセボ対照試験では、ノコギリヤシエキスとβ-シトステロールを配合した経口カプセルを服用した人の60%に、毛髪密度が改善された。ただし、こちらも全体的にはまだエビデンス不足なので、そこまでお勧めはできません。
ガジュツ
ガジュツは「紫ウコン」と呼ばれる植物で、男性型脱毛症の男性87人を対象としたプラセボ対照試験では、ミノキシジルと5%のガジュツエキスを組み合わせたところ、有意に発毛が起きたとのこと。どうやらミノキシジルの効果と皮膚への浸透力を高める可能性があるので、ミノキをお使いの方なら併用で試す価値があるかもしれません。
L-カルニチン
男性ホルモンによる抜け毛に悩む男女60人を対象としたプラセボ対照試験では、2%のL-カルニチンを含む溶液を6か月間ほど塗ってみたところ、毛髪密度が増加し、成長期の毛髪の割合が増加した。
また、60人の男女を対象とした非対照試験では、L-カルニチン、γ-リノレン酸、および大豆由来の化合物(エクオール)を配合した2つの同様の市販溶液を1~6ヶ月間塗布したところ、毛髪数と活性成長期の毛髪の割合の両方が増加しました。もうちょいデータは欲しいところながら、抜け毛に効く可能性はありそうっすね。
ローズマリー
男性型脱毛症の男性50人を対象としたプラセボ対照試験では、ローズマリーオイルを6ヶ月間塗布したところ、ミノキシジルと同じぐらい毛髪数が増加した。86人の男性を対象とした別のプラセボ対照試験では、ローズマリーと他のエッセンシャルオイル(ラベンダー、タイム、シダーウッド)を使ったアロマテラピーマッサージを受けた人の43%に毛髪密度の改善が見られた。まだまだデータは必要ながら、そこそこ希望はあるかなーってとこですね。
米ぬか
男性型脱毛症の男性50人を対象としたプラセボ対照試験では、米ぬかエキスを頭皮に16週間塗布すると、毛髪密度と直径が増加した。特に米ぬかの有効成分であるリノール酸とγ-オリザノールは、マウスの発毛と毛包の発育を誘導した。
まとめ
薄毛に効く可能性がある手法をまとめてみました。このなかだとやはりLLLTの効果が抜きん出てます。また、いまミノキシジルを使っている方であれば、カフェインや頭皮マッサージを併用するのもいいでしょう。
その他のサプリ系でいうと、ローズマリーやL-カルニチンは見込みがありそうな印象ですが、ここらへんはまだ海のものとも山のものともつかないっすね。あくまで予算に余裕があるときのサポートとしてお使いください。
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